Q&A – その他

バック・トゥ・ベーシックスはAA評議会の承認を受けたものですか?

AAの評議会は(アメリカの評議会も、日本の評議会も)、特定のミーティングのやり方を「承認」したことはありませんし、今後もすることはないでしょう。なぜなら、どれかを「承認」してしまうと、他のやり方が非承認という印象を与えてしまうからです。ミーティングのやり方は伝統4に従って各グループが主体的に決めていくものです。評議会は政府の役をする機関ではありません。他者の承認を気にするのではなく、自分たちの主体的な意志決定を大事にするべきでしょう。

バック・トゥ・ベーシックスは12の伝統に反すると言う人がいますが?

アメリカでは約10万人のAAメンバーがバック・トゥ・ベーシックスに参加しています。だがそれでもAA全体から見れば数パーセントに過ぎません。日本では一握りの人たちしか経験していません。ですから、大多数のAAメンバーはバック・トゥ・ベーシックスのことをまったく知らないか、名前だけでその実体を知りません。知らないままに、伝統に反しているという意見を持つ人もいますし、不寛容な批判が存在するとも聞いています。

バック・トゥ・ベーシックスが12ステップの「唯一の正しい」やり方だと主張するつもりはありません。12ステップにはいろいろなやり方があり、どれが正しく、どれが間違っているというものではありません。一人ひとりが自由に解釈するものです。なぜなら12ステップはルールではなく霊的な原理だからです。そして、12の伝統も同じく霊的な原理であり、一人ひとりが自由に解釈していいものです。だから、バック・トゥ・ベーシックスが12の伝統に反すると考える人がいたとしても、それはその人の自由です。一方、伝統に沿ったものだ、と考えている人たちもたくさんいるからこそ、多くのAAメンバーが参加しているのです。

バック・トゥ・ベーシックスの英語版のサイトには、バック・トゥ・ベーシックスを行うAAグループ向けのガイドラインが掲載されています。

そこでは、「私たちは12の伝統すべてを実践する」と明言しています。

大事なことは、あなた自身がどう考えるかです。そのためには、あなた自身が12のステップ、12の伝統、そしてバック・トゥ・ベーシックスについて知ることが大切です。

テキストのp.26~27に出てくる『リトル・レッド・ブック』とはどんな本ですか?

バリー・Cとエド・Wという二人のAAメンバーが行った12ステップの講義を小冊子にしたものです。二人はこの本の出版を20年以上続けましたが、その後はヘイゼルデンが引き継いで改訂版を出しています。日本語訳は三十数年前にある回復施設から出版されていたようですが、絶版となり、いまは入手できません。

同じ著者の書いた『スツールと酒ビン』という小冊子は、日本語訳がジャパンマックから出版されています(700円)。こちらはステップ1~5の説明になっています。

どちらの本も、ビギナーに12ステップを伝える講義(これもビギナーズ・ミーティング)を本にしたものです。

2022-04-07